コード進行と代理コード

トニックやドミナントといったコード進行の基礎知識と、代理コードを使ったコード進行パターンを紹介しています。

コード進行をつなげる

コード進行をつなげる事が出来るようになれば、楽曲の伴奏を作る事は簡単に出来るようになります。

コード進行をつなげる場合、二つの別々のコード進行パターンを一つのまとまりにしたいのか、二つのコード進行パターンの繰り返しを、AメロからBメロへ展開させる目的でつなげたいのか、どちらなのかによって、コード進行のつなげ方が変わってきます。

二つのコード進行をつなげて1つのまとまりにする

別々の二つのコード進行パターンを繋げて1つのコード進行パターンにまとめる場合、「偽終止」という方法を使います。

コード進行の終わらせ方の事を音楽用語で「終止形」といって、「偽終止」は終止形の一つのパターンです。

コード進行と言うのは、本来、トニックのコードに移動して終わるのが正しい終わり方なのですが、毎回、トニックコードで終わると飽きてしまいますよね。

なので、色々なコード進行の終わらせ方があります。

偽終止は、ドミナントコードからⅥのコードや、Ⅳのコードへ移動してコード進行を終わらせるパターンの事です。

ドミナント

ドミナント

Ⅳのコード

Ⅳのコード

ドミナントコードからⅣのコードや、Ⅵのコードへ移動してコード進行を終わらせると、コード進行が終わっていない流れになります。

本来、ドミナントコードからトニックコードへ移動するれば、コード進行が完全に終わったような感じになるのですが、敢えてトニックコードではなくⅥやⅣのコードへ移動する事で ”偽りの終止” 、つまり「偽終止」になります。

偽終止でコード進行を終わらせると、コード進行が終わっていない感じがするので、偽終止の後に別のコード進行を弾き始めると、二つのコード進行の流れが繋がった状態になります。

ですので、二つのコード進行をつなげて一つのまとまりにしたい時は、偽終止を使いましょう。

コード進行を展開して繋げる

コード進行を展開する形でつなげる場合には、「半終止」というコード進行の終わらせ方のパターンを使います。

半終止は、コード進行の最後をドミナントコードにする終わらせ方です。

ドミナントコードは、トニックコードに移動しようとする性質があるので、コード進行の最後にもってくると、トニックコードの安定した響きに落ち着こうとする機能が残ったままになり、そのコード進行が開け放たれた状態のような感じになります。

ですので、Aメロの最後のコードをドミナントコードなどにすれば、Bメロで別のコードに移動したとしても繋がりに違和感が生じません。

ただ、イントロの終わりに半終止、Aメロの終わりに半終止、Bメロの終わりに半終止、と言った感じで、半終止を連発すると、楽曲全体が単調になるので、ブレークを入れるパターンや、ドラムのフィルインを入れるパターンを使ったりして、展開する箇所が単調にならないような工夫をするようにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

代理コードを使ったコード進行

 

代理コードの使い方

メジャーキーにおけるダイアトニックコードのディグリーネームがⅡ・Ⅲ・Ⅵ・Ⅶのマイナーコードは、それぞれ、トニック、サブドミナントドミナントのコードの代理コードとしてコード進行の中で使います。

代理コードとは、コードを構成している音が似ているコードで、その似ているコードの代わりにコード進行の中で使えるコード、の事です。

トニックの代理コード

トニックコードの代理コードは、ⅢとⅥのコードです。

Tonicの代理コード

Tonicの代理コード

「Ⅳ・Ⅵ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行パターンなどで、Ⅰのコードの代理コードとしてⅢのコードを入れて、「Ⅳ・Ⅵ・Ⅴ・Ⅲ」と言うコード進行パターンにしたり、Ⅰの代理コードとしてⅥのコードを入れて「Ⅳ・Ⅵ・Ⅴ・Ⅵ」というコード進行パターンにしたりします。

ただ、ⅢとⅥのコードは、トニックみたいに安定感を与える機能は特にないので、トニックコードの代理コードとしてⅢとⅥのコードを使うと、コード進行の雰囲気が変化してしまう事に注意しましょう。

サブドミナントの代理コード

サブドミナントコードの代理コードはⅡとⅥのコードです。

SubDominantの代理コード

SubDominantの代理コード

「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行パターンなどで、サブドミナントコードの代理コードとしてⅡのコードを使い、「Ⅰ・Ⅱ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行にしたり、代理コードとしてⅥのコードを使い、「Ⅰ・Ⅵ・Ⅴ・Ⅰ」と言うコード進行にしたりします。

ただ、Ⅱのコードなどはサブドミナントと違い、コードによって繋がりに違和感が生じたりもするので、その点に注意した方が良いです。

ドミナントコードの代理コード

ドミナントコードの代理コードはⅢとⅦのコードです。

Dominantの代理コード

Dominantの代理コード

「Ⅵ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行パターンなどで、Ⅴのコードの代理コードとしてⅢのコードを入れて「Ⅵ・Ⅳ・Ⅲ・Ⅰ」というコード進行にしたり、代理コードとしてⅦのコードを入れて「Ⅵ・Ⅳ・Ⅶ・Ⅰ」というコード進行にしたりします。

ただ、Ⅶのコードは、マイナーフラットファイブコートであり、ディミニッシュの響きをもつコードなので、ドミナントコードよりもトニックコードに行く性質が強く、ドミナントコードの代理コードとしてⅦのコードを使う場合には、次のコードはトニックコードにするように注意した方が良いです。

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共通する代理コードがある

代理コードには、トニックとドミナント、トニックとサブドミナントで共通するコードがあります。

共通代理コード

共通代理コード

トニックの代理コード「Ⅲ」と、ドミナントの代理コード「Ⅲ」は、どちらでも使える共通の代理コードです。

同じように、「Ⅵ」のコードは、トニックとサブドミナントで共通して使える代理コードです。

「Ⅲ」と「Ⅵ」のコードは、コード進行パターンの中で、”何のコードの代理コードとして使うのか” を考えないと、コード進行の流れがおかしくなる事があるので注意してください。